「兄弟たち。私は、自分がすでに捕えたなどと考えてはいません。ただ一つのこと、すなわち、うしろのものを忘れ、前のものに向かって身を伸ばし、キリスト・イエスにあって神が上に召してくださるという、その賞をいただくために、目標を目指して走っているのです。」
ピリピ人への手紙3章13～14節

夏休みもあと数日。スケジュールを何度も立て直しながら、課題に必死に取り組んでいる人も多いのではないでしょうか。これまでの過ごし方を後悔しながら焦っている人もいることでしょう。
上記の箇所は、イエスを信じて新しい価値観に従う生き方を、パウロが表現した文章です。ここでは、救い主と共に生きるということが、目標を持って走ることにたとえられています。今の私たちには、このような心の切り換え方が必要なのではないでしょうか。ここに描かれている心とは…

１． 現状で満足してはいけないことを知ること
まだやるべきことがあること、ここで歩みを止めてはいけないことを認めましょう。怠けたい誘惑はいつもあるものですが、逃げずに立ち向かう生き方をしたいという願いも私たちの中にはあります。目の前の小さなことに今日着手することが、自分が変えられていくための一歩なのです。

２． 後ろを忘れること
聖書が教える福音とは、イエスが私たちの身代わりに罪の刑罰を引き受けてくださったことによって、（転生しなくても）人生をやり直すことがゆるされるという特権の付与です。過去の自分の情けなさや怠惰さに引きずられて、今の時間をさらに浪費することから逃れる道がここにあります。神のゆるしと励ましを見上げる人にとっては、今が常に始まりになります。後ろのものを捨てて次の未来を生きることがあなたにはゆるされています。

３． 前に向かって走り出すこと
あなたの今の目標は何でしょうか。勝利や成功、合格に向かって、ひたすら走ってみてください。懸命に目標に向かう体験は、意味のある人生を走ることのすがすがしさをあなたに教えることでしょう。それは人間にとって本来の大目標である、キリストを目指すという喜びに重なる体験でもあります。イエス・キリストは、今のあなたの日常を神に召されるという使命につなげるのです。

今日、前に向かって進む力を、改めて神の前に祈りましょう。

【祈り】
天にいらっしゃる神様。今日の私に生きる力を与えてください。怠ける心や後回しにする心を捨てて、過去の後悔も捨てて、目標を目指して新たに走り出せるようにしてください。イエス様が私の目標となり、力となってください。
イエス様のお名前によってお祈りします。アーメン。

（学院長　安藤理恵子）