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  • 2022.08.22

今週のメッセージ「イェス様のおことば」

すると、シモンが答えた。「先生、わたしたちは夜通し働きましたが、何一つ捕れませんでした。でも、おことばですので、網を下してみましょう。」そして、そのとおりにすると、おびただしい数の魚が入り、網が破れそうになった。(ルカの福音書5章5〜6節)

行動制限のない夏休み。久しぶりに夏季学校や夏のキャンプを実施したという教会もあったことでしょう。小さい頃の夏休みの出来事は忘れられない思い出となって心に残るものです。私の教会学校の夏季学校は通いのデイ・キャンプでした。朝のラジオ体操で集合して、みんなで朝ごはん。海辺の岩陰で聖書のお話を聞き、海水浴、スイカ割り、浜辺でキャンプファイヤー。その景色と季節感からか、夏季学校で聞いた聖書のお話は、海や湖、漁にちなんだ聖書箇所が心に残っています。その中の一つが、ペテロがイェス様の弟子になる日のお話です。

漁師だったぺテロは、暗いうちから漁に出て夜通し働き、魚が獲れずに疲れ果てていました。そんな時に、イェス様が近づいてこられて沖に漕ぎ出して網を下ろしなさいと言われます。ペテロは驚いた、というより半ばあきれたことでしょう。
ペテロは生活のために精一杯働き、漁師としての誇りも抱いていたことでしょう。一晩中漁をして、陸にもどってきて網を繕っていた時に、もう一度沖に漕ぎ出せとはこの仕事を何も知らない者の言うこと、漁は暗いうちにするものなのに、と考えてしまって当然です。
ペテロは「わたしたちは夜通し働きましたが、何一つとれませんでした」と、これまで自分が頑張っても上手くいかなかったことを伝えます。そして「でも、おことばですので、網を下ろしてみましょう」と言います。「おことばですので」の裏には「無駄だとは思いますけど、先生がそうまでいうなら」という思いが見え隠れしています。
そうして網を下ろしたところ夥しい数の魚が獲れ、ペテロはイェス様を疑ってしまったことを悔い改めます。不承不承網を下ろし、大漁に驚いて悔い改めたペテロに、イェス様は「恐れることはない、今日からあなたは、、、」と新しい生き方を示され、ペテロを弟子にしました。
私たちは、頑張っても思ったようにいかなかったという経験をします。そんな過去の経験から、未来のことに対しても「どうせ無駄」と決めつけて動けなくなるような日もあります。そんな時、自分だけの力で一大決心をして奮起しようとしなくても、「おことばですから、とりあえずイェス様に従ってみようかな」という程度の気持ちと少しの勇気があれば、イェス様の方がその気持ちを拾ってくださり、手をとってくだり、一緒に歩んでくださいます。

子どもの頃、夏休みの海辺でこのお話を聞き、おことばですので従ってみようか、という程度の気持ちで今日まで歩んできました。それでもイェス様は変わることなく、いつも共にいてくださいます。

〈祈り〉
神様、イェス様のおことばに従ってみる心と少しの勇気を与えてください。そして、今日も主と共に歩ませてください。イェス様の御名によって祈ります。

アーメン(中等部教頭 笠井洋子)

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