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  • 2023.08.14

今週のメッセージ「平和を求め続ける」

箴言12:20「悪を企(たくら)む者の心には欺きがあり、平和を図る人には喜びがある。」
詩篇37:37「全き人に目を留め、直(す)ぐな人を見よ。平和の人には未来がある。」

 

第5類扱いになったとはいえ、相変わらずコロナが続発し、猛暑が続いていますが、皆さん守られているでしょうか?
さて、先週のヒロシマ、ナガサキの日に続き、今週は終戦記念日を迎えます。ウクライナでの戦争が長引く中、しかも連日のように悪を企む人の多い、残念なニュースが続く現実の中で、実は自分自身の心の中にも「自分さえよければ」と同じような悪を企んでしまう“悪の芽”が存在することに気付き、愕然とすることはないでしょうか。

結局のところ私たちはどこまで行っても自己中心の塊なので、「自分の水を、食料を、豊かさを他人に渡すことなんかできやしない、だから他人にとられたくないから戦うし、時にはだますことだってやってしまう、それが何が悪いのだ。」と考えます。「自分の家族が、自分の仲間が、そして自分の国民が豊かになるためには時には戦うのは当然ではないか、これは自衛のための戦いなのだ、もちろん平和が大切なのは分かるが、自分たちを守るためには仕方ないではないか。」との論調が日に日に強くなっていることに再び戦争への道を歩んでいるのではないかと危惧します。

歴史を学ぶと理解できるはずの、人類が何度も繰り返してしまった戦争前の状態、そんな何かにとりつかれているような姿を覚えるときに、改めて今年度、皆で講演会と映画※を通してみて見て、聴いた中村哲さんの姿を思い出します。中村哲さんのとった方法は、戦いや争いとは全く違うやり方、つまりイエスの言う「あなたの隣人を自分自身のように愛せよ」を実践するような方法であったと思うのです。彼は栄養失調で亡くなっていく子どもたちを呆然と見送るだけにならざるを得ない親たちをみて、根本の原因である食料不足を解決するため、独学で水路を建設する計画を立て、多くの支援者の協力を得て、実行してしまうのです。かつては、貧しさのため雇われて兵士だった人たちが、武器を捨て、水路建設に協力し、そして再び生産可能となった農業へと戻り、中村さんとその収穫を喜ぶ姿は、まさに今日のみことば通りであったと思います。

私たちの目指すべき、究極のモデルであるイエス・キリストは、何の罪もない自らを十字架につける人たちのために、その磔にされる十字架上で父なる神に祈ります。「父よ、彼らをお赦し下さい。彼らは、自分で何をしているのかが分かっていないのです。」
もちろん、私たちには自分の力でこのようなことはできません。全き人=イエスに目を留め、平和の人=平和をもたらす人に近づけるよう、祈り求めていきましょう。

 

祈り
神様。日本では今週、終戦記念日を迎えます。日本だけでなく、アジアの諸国でも、世界中でも、平和を望まない国などあるはずがありません。どの国の人も、平和でそして皆が十分食べていくこと、心身霊とも豊かに生活していくことを願っているにすぎません。どうぞ、武力による解決という方法を選ばずに済むように、政治的なリーダーたちに知恵を与えて下さい。
また、何より私たち自身もイエス様のように、平和をもたらす者になれるように、愛と知恵と忍耐力、そして行動力と、決断する勇気を与えて下さい。主イエス・キリストのお名前によってお祈りします。 アーメン。

(中高等部長 櫛田真実)

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