ICT教育×図書館教育の
可能性を語る
玉川聖学院にある「最先端」とは何だと思いますか?
玉聖は早くからネットワーク環境に投資してきました。環境がしっかりしていれば、ICT教育は次第に整っていくんです。他校がお金をかけないところに、ちゃんとお金をかけてきた学校ですね。
読書を大切にするという学校姿勢も昔からはっきりしていました。今の「探究」につながる「調べ学習」に取り組んだのも早かったですね。いろんな知識を得るには人と一緒に遊ぶことも大切です。情報センターには、紙媒体だけではなく、インターネット、DVD、ボードゲームを揃えてます。玉川聖学院は、時代の最先端のアイディアを試せる環境なんです。
生徒たちに学んでもらいたいことは?
私がボーカロイド体験を授業に取り入れているのは、やったことのないものを生徒たちに体験させることで、新しいことにチャレンジする姿勢を身につけさせたいから。これからの社会には新しいものがどんどん出てくる。でもそれに出会ったときに、怖れずに対応できるようにさせたいのです。
自ら考えて、整理して、何らかの行動に移すことができる生徒を育てたいと思っています。今の自分の狭い知識ではなく、歴史的に誠実に積み上げられてきた知識を自分のものにしてほしい。そのために、物語を通して時間・地域を越えた想像力を養って、言葉化された知識に向き合ってほしいです。
玉川聖学院における教育の可能性とは?
情報の授業には、プログラミングとか、ポスターとか、いろいろなかたちで自分を発信できる達成感があります。生徒たちは、制限された条件の中で、論理的に思考して、自分が達成したいものを造り上げる力を発揮しますね。
プログラミングにおいても、他人の気持ちになって考えるという心が玉聖で養われているから、独りよがりではないものを作成する力がありますね。相手のことも視野にいれて、責任を持った発信をするためには、読書で想像力を養うことが大事。内向き志向をやめて外に目を向けるために、海外小説を読んでほしいです。中学時代は語彙が少ないから、ネット検索のための単語も少なくて、結局ネットから得られる知識も狭いのです。知識を広げるためには、紙資料の目次に目を通すことが有益です。知っている単語が増やして、ほしい情報にたどり着いて、知識が増えていくような体験をしてもらいたいですね。
現代は情報過多である一方で、判断能力を養う機会が乏しい時代です。教育の意義とは、何か本当なのか、正しい知識を身に着けさせることだと思います。教科書の内容が生徒に正しく届くような授業を行っていくと同時に、彼らが自分の体験を通じて、何がよいものなのかを実感できるような授業を展開していきます。
これからの学びへの挑戦
将来に役立つことがこれほどそろっている学校は他にないと思いますね。電子黒板もアプリケーションも様々な種類がある。これからの時代にどこかで出会うもののほぼすべてを、この学校ではちょっとずつ触れて、体験できる。正しい知識を持つことで、新しいものの使い方がわかる生徒を育てていきたいと思っています。
ミッションスクールとして学校全体が同じ方向を向いているから、図書館も弱い側の立場の目線を大切にすることを土台にしています。静かで緊張する図書館ではなく、リラックスすることで落ち着いていろんなものに向き合うことができる場所でありたいと思います。畳、クッション、ぬいぐるみ、知恵の輪…などの環境作りを今後も大切にしていきます。