新約聖書 ローマ人への手紙 12章2節
「この世と調子を合わせてはいけません。いや、むしろ、神のみこころは何か、すなわち、何がよいことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知るために、心の一新によって自分を変えなさい。」
聖書を読んでいると、時々立ち止まらざるを得なくなります。この世の今の流行や傾向をそのまま受け取っていいのか、その通りに歩んでいいのかを、点検しながら生きていくことを聖書がいつも勧めるからです。
今、私たちは世界的な緊張状態の中にありますが、実は平和な何もないようなときにも持つべき緊張感があって、そのような見分ける心を養うことが、本当の危機に際しての心構えを育てるのです。聖書に聴き続けてきた今までの皆さんの日常が、こういう時にこそ役に立つはずなのです。
上記の言葉が教えているのは、まず、主体的であれ、ということです。流されるのではなく、気分で決めるのではなく、自分で選び取っていくことの大切さが語られています。それは、その後に起こることを人のせいにしないためです。お互いを責め合う心が、人と共に協力していかなければならない新しい生活や作業を妨げないためです。
また、「調子を合わせるな」ということばが意図しているのは、世間の行動に対立することを勧めているのではなく、神の願いがどこにあるのかを、その場限りの人の願いより優先させよという意味です。神の願いは常によいことに属し、その時の状況で変わってしまう評価ではなく永続する価値を持つものです。では、永続する価値とは何か? 信仰と希望と愛です。その中で最も優れているのは愛です。これは玉川聖学院のスクールモットーです。そしてこの価値に生きるためには、日々私たちが神によって新しくされることが必要なのです。
今日も改めて神の前で、愛されている私、ゆるされている私に立ち返りましょう。そして、今置かれている場所で、神と人とを愛することに取り組んでください。
【祈り】
私たちの父なる神様。このようなときにこそ、本当に自分に必要なもの、本当に世界にとってよいことが何なのかを、自分のこととして考えて、見定められるように助けてください。世界中が緊張している中でも、あなたのみこころが行われますように。
救い主イエス様のお名前を通してお祈りします。 アーメン。