新約聖書 へブル人への手紙 10章36節
「あなたがたが神のみこころを行って、約束のものを手に入れるために必要なのは忍耐です。」
普通の生活に戻っていくということは、家の中で過ごしてきたペースを、あのスピードに戻していくということなのでしょうか。立ち止まりながら葛藤してきたこの期間から、かつての充実した忙しさに、私たちは戻ろうとしているのでしょうか。
この数か月、私たちの時間の過ごし方はこれまでとは違うものでした。この時を過ごしている意味そのものについて考えさせられた日々だったと思います。新しい出来事が少なかった分、いつも自分が悩んでしまいがちな事柄に何度も戻ってきた毎日だったかもしれません。自分の内面にゆっくり向き合う機会が多かったのではないでしょうか。
新しい生活を始めるにあたって、自分の心のために、今後どのような時間の使い方をするかを考えましょう。元通りの生活に勢いよく戻ろうとすることよって、この期間に気付かされたことがかき消されることがないようにしたいと思います。
効率よく生きようとすることによって、失うものがあります。無駄を省くことによって、深まらないものがあります。忙しい充実感が、心の隙間をいつの間にか広げることがあります。余計な手間のように思えても、時間をかけることによって育つものがあるのです。
時間をかけて待つことを、聖書は忍耐と呼びます。神は、忍耐という待ち望み方をする人に、より大きな祝福を実現させます。待ち望む生活の中には、悩んだり考えたりすることも含まれます。すぐに結果が出ないわけですから、先が見えない、無駄に思えるような時間を過ごすことでもあります。しかし、今自分に与えられている学習、仕事、小さな責任を引き受けて、神と共に生きる人には、確かな未来が約束されているのです。
登校する日々が始まったら、はやる心を少し抑えながら、急に元通りになろうとする自分を落ち着かせながら、ゆっくり待つことを学びましょう。急がなくても大丈夫です。忍耐を学びながら毎日を過ごすことこそが、あなた自身を生かす一番の道なのです。
【祈り】
主なる神様。すぐに手に入らないとあきらめてしまう私たちです。あなたが良い未来を用意してくださっていることを信じて、焦らずに歩むことを教えてください。私がいつも本当の私でいられるように、私の心をお守りください。
イエス様の御名前によってお祈りします。アーメン。