旧約聖書 詩篇 81篇10節
「わたしが、あなたの神、主である。
わたしはあなたをエジプトの地から連れ上った。
あなたの口を大きくあけよ。
わたしが、それを満たそう。」
宗教的に生きるということは、欲望や煩悩を捨て去ることで、自分の願いをあきらめるという話なのだと私たちは思いがちです。しかし聖書の神は、意外にも私たちの欲求をそのまま求めることを歓迎してくれます。そして、食べることも、生きることも、楽しむことを奨励してくれています。ただ、その欲求を本当の意味で満たすことのできる相手を、間違ってはならないと戒めます。なぜなら、求める相手を間違ってしまうと、失望するのが癖になり、楽しんでいたはずのことが却って自分を不安定にするものに変わってしまったりして、結果として自分の人生を喜ぶことができなくなってしまうからなのです。
そろそろ元の生活に、少しずつ戻っていけるかもしれない今、数か月前の元の生活よりも、もっと本来的な元の生活に戻ることを考えてみませんか。すなわち、必要なものを創造主である神に求めるという生活です。遠慮せずに大きく口を開けて、神が必要を満たしてくださるのを待ってみるという生活です。
この方に向かって求めるとき、そしてこの方がどのような愛を注いでくださっているのかを聖書から知るとき、私たちの欲求は、より素直なものに変えられていきます。今までは、自分を人に認めさせるため、誰かにささやかに復讐するため、どんなことが起こっても平気でいられるように余分に集めておくために、心の起伏激しく人に要求したり、自分を責めたりしてきた心を、もっと正直なことばで表現できるようになっていきます。
私たちは愛されたいのです。そしてそれを変わらない心でしてもらいたいと願っているのです。
大きく心の口を開けましょう。神が注いでくださる愛が、あなたを必ず変えてくださいます。
【祈り】
天のお父様。普通の生活に戻ろうとする私たちを助けてくださって、元の生活よりももっとあなたの愛にとどまる生活を学ばせてください。私の心の焦りや不安に、あなたの愛が届いて、素直な心であなたに願い求めることのできる私にしてください。
イエス・キリストの御名前によってお祈りいたします。アーメン。