新約聖書 へブル人への手紙 12章12~13節
「ですから、弱った手と衰えたひざとを、まっすぐにしなさい。
また、あなたがたの足のためには、まっすぐな道を作りなさい。なえた足が関節をはずさないため、いやむしろ、いやされるためです。」
運動不足になると、体の調子が悪くなります。体がなまると動かすのが面倒になるし、ずっと座り続けたり同じ格好をしたままでいると、痛みを感じたりもします。そういうときに私たちは自然と体を伸ばします。違和感のある部分をストレッチすることで、元の調子を取り戻せることを知っています。自宅にとどまっている今の私たちには、体のストレッチが必要ですが、私たちの生き方にも同じことが言えるのです。
もしも心が委縮していたり、気持ちが臆病になっているなら、あるいは、小さなことでイライラしたり、人に対していつもより攻撃的な言葉が浮かびやすい自分に気づいたら、それは心のストレッチが必要なときです。こういう自分はいやだな、という自分になってきていたら、それはちょっと立ち止まって心の思いをまっすぐにするべきときだと言えるでしょう。
まっすぐ、と聖書が表現しているのは、神に対して斜に構えない心を指すのだと思います。私たちは人間関係にたくさん悩んできたので、相手の態度の裏を読むことに慣れています。「あなたのため」という言葉でひどいことを押し付けられたり、笑顔だけれど悪意を向けられたりした経験に基づいて、神もきっと同じことをするのだろうと考えてしまいます。神は愛なのかもしれないけれど、同時に意地悪で罰を忘れない方だと感じています。そんな私たちがまっすぐに、聖書が伝える通りに、神の愛に信頼しようとすることが、心のストレッチなのです。神を怖がらなくてよいのです。今のこの状況を通して神は私たちを滅ぼそうとしているのではありません。あなたが肩の力を抜いて安心するために、痛んでいるところがいやされるために、本来の自分になっていくために、神を見出してもらいたいと願っているのです。そして永遠の祝福を一緒に歩んでほしいと、本気で招いておられるのです。
【祈り】
天のお父様。どう整理してよいのかわからないような私の思いを、そのままあなたに打ち明けます。何となくあなたを怖がってきた私ですが、聖書が語るあなたの本当の姿を知ってみたいと思います。どうぞ私の心が広く伸ばされて、あなたによっていやされるようにしてください。
イエス・キリストの御名を通してお祈りします。 アーメン。