新約聖書　ローマの手紙　12章15節
「喜ぶ者といっしょに喜び、泣く者といっしょに泣きなさい。」

新型コロナウィルスで亡くなった人がイタリアで7000人を越えました。家族や親族との関係が深いと言われるイタリアで、これだけの人々が短期間に亡くなったということは、今、痛みを持たない家族がいない状況なのではないかと思います。
大切な人を突然失うという現実を、私たちの心は簡単には受け止められません。なぜこのときに、なぜこの人が、なぜ私がと問い、一体誰が悪かったのかと悩み、こんなことが起こることを許した神に怒りをぶつけることもあることでしょう。なぜという問いに、神が答えない時があります。そして私たちも、本当は答えを聞きたいわけではない時があります。何を言われても納得できない、受け取ることができないという時があるのです。そんなとき、神はただ、私たちと共にいてくださる方です。真っ暗な私たちの心を一人にしないでいてくださるのです。
その人の深い悲しみをわかってあげたいと思っても、慰めてあげたいと思っても、言葉が浮かばないことがあります。そのまま、わかってあげられない私のまま、その人に寄り添う私たちでありたいと思います。「あなたの気持ちよくわかる」という言葉が、その人を小さく傷つけることもあるのですから。

【祈り】
いのちを支配しておられる神様。今、世界でたくさんの人たちが悲しんでいます。どうかあなたが共にいて、悲しみの中のいる人の友となってください。そして私も、人の心に寄り添えるように、人と共に悲しむことを教えてください。
救い主イエスの御名によって祈ります。　アーメン。