わたしが初めて海外に行ったのは、大学生のとき。
日本人3人で、タイの大学生たちとの3週間の交流キャンプに参加しました。
大学の寮の床に泊めてもらったり、
象の背中に乗せてもらったり。
お互いにたどたどしい会話だったけど、
やさしい人たちにたくさん出会えて、
今でもタイは私にとって特別な国です。
以来いろいろな国に行きましたが、
そこの国に友だちがひとりできると、
その国そのものが特別な国になります。
異文化同士の違和感や偏見は、いつの時代にもあるものだけれど、
友だちがいる国のことは、
どんな歴史やニュースを聞かされても、
やっぱり嫌いにはならないのです。
その国の人で、好きになれないたくさんの人に出会ったとしても、
ひとりの優しい人を知っていると、
その人への信頼ゆえに、その国を信じたくなるのです。
国際理解というのは、
私たちにそういう心があるときに、
忍耐強く深まっていくものなのではないかと思います。
玉聖の生徒には、
若いときに、自分と違う文化の人たちとたくさん出会って、
友だちになってほしい。
そして、嫌いになれない国を、
世界にたくさん作ってほしいと思っています。