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  • 2021.08.23

今週のメッセージ「なすべきことをなす力」

「あなたの道を主にゆだねよ。主に信頼せよ。主が成し遂げてくださる。」詩篇37篇5節

夏休みが終わろうとしているこの時期はいつも憂鬱になるものです。気持ちを切り替え、不安を振りきって進まなければならないようなときです。溜息をつきたくなるような気分の人もいるかもしれませんが、人生には、なぜ自分にこの不幸が訪れたのか、と思う日があるものです。病気や災害、自分ではどうすることもできない禍(わざわい)が降りかかってくることもあります。
人の力ではどうすることもできない自然災害は、あくまでも自然がもたらす現象であること、病いもまた、誰かの責任ではなく、向こうからやってくる、というところに立たなければなりません。人間はこうした禍に意味づけをする唯一の生き物です。何とかして人間として納得のできる理由を見つけ出そうとするものです。例えば、天罰、たたり、運命などがそれですが、それらは傍観者にとっての多少の気休めになるだけで、実際に苦しんでいる人々にとっては、答えにも慰めにもなりません。なぜわたしが、どうして今、あのひとがなぜ、という問いだけが余計に巡って、苦しさが増していくだけでしょう。なぜ、というこれらの問いに対して、人間の知識の世界は全く無力であることを思い知らされます。
神様が示される道は私たちの思いをはるかに超えています。神様はその人知をこえた神様の道を歩ませるために「委ねる」ということを教えてくださいました。「あなたの道を主に委ねよ。主があなたを支えてくださる」と。
「委ねる」とは運に丸投げしてなるようになれということではありません。目に見えないものの力を信じて信仰の世界への扉を開き、歩みだしていくということです。自分にはできないかもという思いを捨て、自分の力をはるかに超えて成し遂げてくださる方がいるという世界へ身を置いて生きていくことです。生きていく決心をすることと言ってもいいかもしれません。自分の力をはるかに超えたお方がともにいてくださり、成し遂げてくださることを信じて祈り、祈りの力を信じて委ねること。自分のなすべきことをなしていく力を神が与えてくださるのだから、頑張っていくということです。
私たちは今日、神様からかけがえのない命を与えられ、かけがえのない自分自身を生きるよう呼びかけられています。その呼びかけの中に、「わたしを信じて委ねなさい、あなたを支えるから、自分のなすべきことをなして生きていきなさい」ということを聞き逃さないでいてほしいと思います。その呼びかけに心を向け、応えることで、私が私であるというところを生きていけます。

【祈り】
神さま。
あなたがこの世界と共にわたしを造ってくださったことを感謝します。あなたが置いてくださったところがわたしの相応しい場所。その場所で、あなたは力をもって支えてくださいます。どうか、なすべきことをなす力を日々注いでください。御子 主イエス・キリストによって祈ります。 アーメン

 中等部教頭 笠井洋子

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