心を磨く

  • 2020.07.30

今日の聖書のことばと祈り

新約聖書 へブル人への手紙 11章 8節
「信仰によって、アブラハムは、相続財産として受け取るべき地に出て行けとの召しを受けたとき、これに従い、どこに行くのかを知らないで、出て行きました。」

 未来のための準備をするには、何らかの信仰が必要です。「きっとそうなる、多分そうなる。」そんな予想を立てて、私たちはまだ見ぬ未来の備えをし、リスク回避のための選択をします。そういう意味では、宗教を持っているかどうかとは関係なく、誰もが見えないものを信じる毎日を過ごしていると言えるでしょう。
 
 アブラハムは、神が自分に土地を与えてくださるということを信じていました。実際に神は、彼に「すばらしい土地を受け継がせてあげよう」と約束してくれたのです。アブラハムはその土地を見たこともなかったし、人から聞いたこともなかったはずです。当然地図もGPSもありませんでした。しかし、彼は神が導いてくださることを信じて、とりあえず出発したのです。しかしそれは、とりあえず、という言葉を越えた、全財産と大家族を動かす大きな覚悟の大移動でした。
 人は、このような大きな決断をすることを「賭け」と呼び、先が見えない「冒険」と呼びます。自分で道を切り開いていくという勇気を必要とし、何かを失うかもしれないスリルを伴います。一方で聖書は、このような決断を「信仰」と呼びます。先が見えないという点では同じなのですが、この決断は自分ひとりのものではないのだと、神の同伴を信じます。そして進んでいく先でひとつひとつ扉が開いていく驚きがあり、想像していなかった良いものに出会っていくというスリルがあります。神に信頼するときに、私たちの決断は危険を冒す冒険ではなくなります。この大きな世界の中で自分が出会うべきものに出会い、ついには手に入れるべきものを受け取ることができるという、神に導かれる冒険となるのです。善い神によって善いものを与えられていく旅の始まりとなるのです。
 
 来年がどうなるか、10年後がどうなるか。人はいろいろな予想を立てます。しかし、神を信じていきましょう。この方は、何もない中から善いものを生み出すことができる方です。そして自分を愛する者には、万全の守りを与えてくださる方なのです。

【祈り】
主よ。あなたは善いお方です。私の人生を導いてください。不確かなこの時代にあって、あなたが共にいてくださる確かな人生を歩ませてください。あなたに押し出されて一歩ずつ前進することができますように。
主イエス・キリストの御名前を通してお祈りいたします。アーメン。

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